(御嶽山と類似噴火)2013年のフィリピン・ルソン島のマウイ山の水蒸気噴火(爆発)とか


Mayon Volcano View from Ligñon Hill

(Photo by Anton Diaz)



フィリピン・マウイ山の水蒸気噴火(爆発)

2013/5/7 マヨン山水蒸気爆発で5人死亡、7人負傷。

フィリピン・ルソン島にある同国で最も活発な火山、マヨン山(標高:2,460m)。

水蒸気爆発噴煙は500メートル、爆発は約73秒続いた。

最大で20人ほどの登山客とガイドがマヨン山に登っており、

5人(外国人4人、ガイド1人)が死亡し、7人が負傷。

火口に雨が接触して起きた通常見られる小規模な水蒸気爆発。

24時間以内の噴火兆候は無かった

噴火後も警戒レベル0維持と判断(フィリピンは1からでは無く0から)

翌日、警戒レベル0のまま、イギリスのアドバイスで半径6kmに立入禁止発令。

という事故内容。



直接的な予兆が無かったという点では、御嶽山と同様です。


ただし、以前より噴火活発な火山であることもあってか、

・PDZ(Permanent Danger Zone)という危険地域指定がされた点

・国民への危険が徹底されている点

が日本の場合と違うと思われます。


ただし、PDZは注意喚起で、絶対に立ち入れない訳ではなく、

また、PDZのエリア内に居住の住民もいて、どうすべきなのか、

数年議論が続いているそうです。




外国の有識者達の目

外国からの見方はどうなのか?

幾つか記事に目を通して見ました。

研究者、教授と言った方々のものを読むと、



「水蒸気爆発は予測出来ないことがほとんど」


「隆起等の外殻変動が起こらず、急激に爆発することが多い」


「クレータ付近やクレータ湖の温度上昇の検知という

 方法もあるが、これも必ずしも有効に働くわけではない」


「中規模な水蒸気爆発にしては、被害が大きく、

 悪い条件が重なった悲劇である」


「日本のシステムでも全く検知出来ないのは驚きだ」

(↑日本のシステムと関わった関係者?)



・・・と、


予測・予知出来なかったことに対する非難は無く、

現在の技術では仕方ないと言った記述が多かったです。




裏を返せば、


活火山における登山では、いつでも水蒸気爆発の危険は伴う

と考えるべきである、ということになりますね。




ではどうすれば?

前提として、

・(大規模な)マグマを伴う噴火の予知精度は向上して来ている。

・(中小規模な)水蒸気噴火については、予測は、100%出来ないと思うべき。


と考えると、現状では、


「人が怪我、あるいは、死ぬ」可能性がある噴火は予測出来るか?

という問いには、


そのような予測は100%出来ない。




つまりは、


いつでも覚悟して登山せよ


ってのが今の世界のスタンダードみたいです。





無駄に思えても予防(防護)すべし

防護マスクや、ヘルメット、ヘッドライトなどの予防装備を

準備していても、御嶽山での致命傷の例にもある通り、

頭だけ守っても「運」が悪ければ、助かりません。


それでも、

少しでも防護策を講じるのは正しいと思います。

防護策で少しでも運任せなところをコントロール出来れば

万が一の時にも助かるかも知れません。



色んな記事で一貫してたのは、


登山の場合には、

・活火山であり、危険な場所であることの意識をもつこと

・必ず周知すること(知人・家族、登山届けなど)

・山の情報をしっかりと調べること

・可能な限り防護策を講じること

・(死ぬ危険があることも)覚悟すること


で、

基本、自己責任!

ということです。



Mayon Eruption, September 2006

(Photo by Ariel Dennis Azada Chua)



もう少し、マヨン山を。

マヨン山

マヨン山 - Wikipediaより抜粋。

マヨン山(Mayon Volcano)

フィリピン共和国のルソン島南部、ビコル地方アルバイ州にある成層火山である。
標高は2,463m
一帯はマヨン山国立公園に指定されている。


「マヨン」とは、ビコル地方の言葉で「美しい」という意味を持つ
「マガヨン」に由来すると言われている。


山体は非常に整った円錐形をしている。
これは火砕流と溶岩流の繰り返しによって作り出されたものである。


地元では富士山よりも美しいといわれており、
かつて日系人移民からは「ルソン富士」と呼ばれていた。


本火山はフィリピンで最も活動的な火山であるが、
これはフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に位置し
マグマの形成が盛んな場所(フィリピン断層)にあるためである。


過去に何度も噴火による死傷者を出し、現在はハザードマップが作成、
火砕流などの恐れのある場所は土地の利用規制が行われている。
現地は貧しく、危険地帯(PDZ)で耕作せざるを得ない状況がある。
PDZ: Permanent Danger Zone


山体はレガスピ市等の複数の基礎自治体に跨る。
レガスピ市と千葉県銚子市は姉妹都市、
銚子市の犬吠埼近くに立つ「日比友愛の碑」は、
マヨン山の方向に向けて建てられている。


活動史

マヨン山は17世紀から21世紀初頭までの400年に50回も噴火している。


  • 記録に残る最も破壊的な噴火は1814年2月1日に起こった。
  • 溶岩流が山から10kmのカグサワという街を埋めて1,200人以上の死者を出した。
  • 現在、当時の街があった場所には教会の鐘楼しか残っていない。
  • 1984年9月の噴火では、最初の小規模な噴火で住民が避難してから
  • 数週間後に大噴火が起きたが犠牲者は出なかった。
  • 避難していた住民たちが帰宅を望んだが、
  • フィリピン火山地震研究所 (PHIVOLCS) のレイモンド・ブノンパヤンと
  • アメリカ地質調査所(USGS) のクリス・ニューホールという2人の火山学者が
  • 噴火はまだ終わっていない可能性があるとして避難解除を認めず、
  • 結果的に多くの人々を救った。
  • この2人は1991年のピナトゥボ山噴火でも協力している。
    • 1993年には突然の大噴火による火砕流で70余名の犠牲者を出した。
        • 2000年、および2006年8月にも噴火を起こした。
              • 2009年にも噴火し、12月14日には住民への避難勧告がなされている。
                    • 2013年5月7日に起きた水蒸気噴火では、
                    • マヨン山を登っていた観光客ら計20人のうち、
                    • 5人(観光客4人、ガイド1人)が落ちてきた岩に当たり犠牲となっている。
                          • 2014年9月15日、警戒レベルを上から3番目に引き上げ、1万人に避難指示が出た。
                            • 2014年9月17日に溶岩が流れ出し、5万人に避難勧告が出た。


Philippines relief location map.jpg
"Philippines relief location map" by Carport - 投稿者自身による作品, using File:Philippines location map.svg by NordNordWest. STRM-30 data for the relief. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.




こんなん入ってます。

日本が支援の地震・火山監視システム

独立行政法人国際協力機構がフィリピンのシステムにがっつり協力

しているみたいです。


(日)フィリピン地震火山監視能力強化と防災情報の利活用推進プロジェクトより抜粋。

災害を軽減するためには、調査研究によって将来発生し得る地震・火山噴火を長期的に予測し、災害に対する備えを十分に行なっていくこと、住民や、行政等に地震や火山噴火の発生時にリアルタイムの監視情報を提供して、避難警報の発令や住民避難等、緊急災害対応に役立てることが必要です。


(途中省略)


長期的な噴火予測や避難命令の解除に必要な長周期地震の観測に基づく噴火予兆を観測することが困難です。また、これまでのPHIVOLCSと我が国の大学との研究では、火山における電磁気観測に関する研究実績があり、電磁気観測が噴火予測に有効なことが証明されています。これまでの観測体制の強化と最新の観測技術を用いて火山噴火予測を行なうことにより信頼性の高い火山噴火予測体制の構築が可能となります。


上記に加えて、地震・火山観測から得られた情報を被害軽減に役立てるには、情報の迅速さと正確さだけではなく、国・地方自治体・企業・住民が、最新観測情報に基づく防災関連情報にアクセスし、その意味を理解し、情報を適切な緊急対応や事前の備えといった具体的な行動に反映できる仕組みが必要です。


以上の状況を受けて、フィリピン政府は、我が国の地震火山観測技術、情報伝達技術のフィリピンでの適用に関する支援を地球規模課題対応国際科学技術協力案件として我が国に要請

してきました。




(日)フィリピン地震火山監視能力強化と防災情報の利活用推進プロジェクトより抜粋。

過去の協力実績


フィリピンにおいて地震・火山監視は、

科学技術省(DOST)所管のフィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)が担っている。


地震・火山監視ネットワークの設置と

運用指導の技術協力プロジェクト(無償資金協力)


「第一次地震・火山観測網整備計画(1999年)」

「第二次地震・火山観測網整備計画(2001年~2002年)」

「地震火山観測網整備計画(2004年3月~2006年3月)」

↓ (成果)

・地震発生後15分程度で震源や規模を把握する体制

・主要6活火山の常時観測体制が構築

・テレメータ観測網には短周期地震計のみ設置




最新プロジェクト

協力合意:2009年12月1日

協力期間:2010年2月21日 ~ 2015年2月20日 (継続中?)


(活動)

1-1-1 広帯域地震計と強震計を設置し、観測網を構築する。
1-1-2 高度震源解析システムを導入し、運用する。
1-2-1 リアルタイム震度計をマニラ近郊に設置し、パイロット観測を行う。
1-2-2 上記の結果に基づき、全国規模のパイロット観測を実施する。
1-3-1 津波警報システムを強化する。
1-3-2 リアルタイム潮位監視システムを強化する。
2-1-1 GPSキャンペーン観測を実施する。
2-1-2 GPS連続観測を実施する。
2-2-1 内陸地震を対象とした地形・地質調査を行う。
2-2-2 海溝型地震を対象とした地形・地質調査を行う。
3-1-1 広帯域地震計と空振計(注1)をタール火山及びマヨン火山に設置する。
3-1-2 地震・空振データのリアルタイム伝送・解析システムを導入し、運用する。
3-2-1 GPSをタール火山及びマヨン火山に設置する。
3-2-2 GPSデータのリアルタイム伝送・解析システムを導入し、運用する。
3-3-1 地磁気地電流計と全磁力計をタール火山に設置する。
3-3-2 地磁気地電流と全磁力データのリアルタイム伝送・解析システムを導入し、運用する。
4-1-1 地震火山防災情報ポータルサイトを構築する。
4-1-2 成果1と2のための活動から得られた結果を活用するために災害解析システムであるREDAS(Rapid Earthquake Damage Assessment System)の改良を行う。
4-1-3 住宅簡易耐震診断ツールを作成する。
4-1-4 プロジェクトで得られた地震火山情報をポータルサイトを通じて発信する。
4-1-5 コミュニティーの津波防災普及に関する研究を行う。
4-2 ポータルサイトの利活用に関するセミナー・研修を実施する。


(注1)火山噴火などにより発生した空気の急激な圧力変化が、大気中を周囲に伝わる現象を空振といいます。この空振を捉え、火山の噴火予測に役立てるための計測装置(低周波マイクロフォン)を空振計といいます。

(現段階で、何処までが成果なのかちょっと不明)



この「地磁気地電流」とやらでも、

やっぱり「水蒸気噴火」は検知出来なかった、ということなのか、

まだ未設置でこれかれは検知・予知可能性があるのか?

ってのは知りたい気がします。



スリルを求める人もいる

2009年の噴火時の出来事。


Mayon Volcano - Wikipedia, the free encyclopediaより抜粋。


火山が12月14日に噴火し始めた後に、最大2400/日の観光客が殺到して

2週間でホテルを満杯にした。

(通常は、200人/日程度)


この時に、アルバイ州知事が語った言葉。


「これは大きな問題だ。

 私はゼロ死傷者記録を最初に破るのが死んだ観光客になると思う」


そういうスリルを求める人への警告として、

「噴火の瞬間、地元のガイドは逃げ、助力を失った彼らは取り残されるだろう」


(地元ガイドに誘われた観光客が、8kmのPDZに政府の警告を無視して

 入るかも知れないという情報を受けての発言)




そして、

間もなく噴火しそうなマウイ山

VolcanoDiscoveryに時系列情報。

Mayon volcano: eruption news and updates



半年前にちょっと異常を検知

2014/5/7
水蒸気爆発

2014/6/3
(水蒸気爆発の1ヶ月後)レベル1アップ

       弱い白光を山頂で観測(マグマ浸入の兆候?)

↓ 

あとは省略。




~おわり~

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